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Drawing Tubeとは

Drawing Tube(ドローイングチューブ)とは、ドローイングの新たな研究・対話・実践のための実験室であり、それらを記録して共有するために構想したプラットフォームです。

ここで言うドローイングとは、平面上に描かれた線のみではなく、宇宙におけるあらゆる線的な事象を対象とし、空間や時間に新しい線を生成していく、あるいは潜在している線を発見していく過程そのものを指します。
例えば、ダンスは空間への、音楽は時間への、写真は光の、テキストは言語のドローイングとして捉えることもできます。さらに地図上の道路や、夜空における星座、人間の腸なども含めてみると、私たちは世界の様々な領域に「ドローイング」を見出せるでしょう。

Drawing Tubeは、この「ドローイング」というキーワードを介して、様々な分野を巻き込んだイベント、レクチャー、展示などを不定期で行い、各分野間に管 (チューブ)を開通させることを志向します。またそのアーカイヴを開示することで、「描くこととはなにか?」という根源的な問いに対する議論を喚起し、変容し続ける現在進行形のドローイングの可能性について考えていきます。

紙を丸めて運ぶための筒のことも、ドローイングチューブと呼びます。Drawing Tubeの活動は、特定の場所と結びつくのでなく、何かと何かをつなぐ管(チューブ)としてその都度かたち作られ、移動していくものです。管状の線が空中に浮かんでいるような、1匹のミミズが澄んだ池の水面を泳いでいるようなイメージです。
まずはこうした穴がボコボコ空いた状態で始めて、色々な意見を取り入れながら、少しずつ展開していく予定です。よろしくお願いします。

2016年8月3日 鈴木ヒラク

鈴木ヒラク/アーティスト。1978年生まれ。東京芸術大学大学院美術研究科修了後、シドニー、サンパウロ、ロンドン、ニューヨーク、ベルリンなどの各地で滞在制作を行う。ドローイングを核として、平面/インスタレーション/彫刻/パフォーマンス/映像など多岐に渡る制作を展開。著書に『GENGA』などがある。現在、東京芸術大学大学院美術研究科非常勤講師。