Riet Eeckhout
大きなサイズで描くこと、つまりドローイングボードの前に立って描くという行為には、対象に対して瞬間的に深く関わるような切迫感がある。
自分の身体と同等のサイズで描く時、ドローイングは両腕で抱きかかえられるような「物」ではなくなる。そうではなく、描くプロセスや技法を通して対象との直接的な関係が生まれ、その対象はぐっと身近になる。まるで触れられるかのように、実感をって経験できるものになるのだ。
The space between his head and his two hands—1 Graphite pencil, white wax pencil on polyester film. 90 cm x 118 cm © Riet Eeckhout
The space between his head and his two hands—2 (detail2) Graphite pencil, white wax pencil on polyester film. 90 cm x 230 cm © Riet Eeckhout
The space between his head and his two hands—2 (detail1) Graphite pencil, white wax pencil on polyester film. 90 cm x 230 cm © Riet Eeckhout
私は、状況を観察し、ドローイングを通して理解を深めるために描いている。
具体的には、ある状況に対して描き重ねていく。映像や写真をトレースし、そこから空間的・建築的な要素を取り出し、目の前のかたちや構造への理解が得られるまで続ける。このプロセスでは、対象そのものをさまざまな視点から繰り返し描くだけでなく、そこから生まれたドローイング自体もさらに別の視点で描き直していく。こうして重ねられる一枚一枚は、対象に含まれている圧縮された空間性を少しずつ解きほぐし、洗練していく作業でもある。
私は観察と想像のあいだを行き来しながら描き続け、やがて転換点——ポイエーシス(生成の瞬間)——に至る。そのときドローイングは、単なる「再現」から離れ、別の存在へと変わる。その瞬間、私は見ている状況をただ写すのではなく、それを通り抜けるように描くことができるようになる。そこに現れるのは、もはや元の映像や写真の見た目そのものではなく、対象に内在し、観察によって捉えられた建築的な意図を表したものなのである。
-リート・エークハウト
Drawing Out Gehry III, Graphite pencil, white wax pencil on polyester film. 90 cm x 170 cm © Riet Eeckhout
リート・エークハウト(M.Arch, MA, PhD)
彼女は、ベルギーのKUルーヴェン大学建築学部においてポストドクトラル研究員の職に就いている。研究者として、建築という分野の中から自身のドローイングを発表・出版し、執筆活動も行っている。また、世界各国の大学や国際会議にゲストスピーカーおよび講師として招かれ、実践との関係における自身の研究について講演している。彼女のドローイングは国際的に展示されており、これまでにヴェネツィア・ビエンナーレ(イタリア)、パリのギャルリー・ダルシテクチュール(フランス)、ベルリンのチョーバン財団建築ドローイング美術館、ベルリン工科大学建築博物館(ドイツ)、アート・オミ:アーキテクチャー(ゲント、ニューヨーク、アメリカ)などで展示されている。
2014年には、メルボルンのRMIT大学における招待制の実践ベース研究プログラム(レオン・ファン・シャイク主導)のもと、マーティン・フック博士の指導を受け、「プロセス・ドローイング」と題する博士論文を完成させた。
Website: https://www.rieteeckhout.com/
Instagram: @riet_eeckhout
Drawing Out Gehry IV, Graphite pencil, white wax pencil on polyester film. 90cm x 140cm © Riet Eeckhout
Drawing Out Gehry V Graphite pencil, white wax pencil on polyester film. 90cm x 150cm © Riet Eeckhout
大きなサイズで描くこと、つまりドローイングボードの前に立って描くという行為には、対象に対して瞬間的に深く関わるような切迫感がある。
自分の身体と同等のサイズで描く時、ドローイングは両腕で抱きかかえられるような「物」ではなくなる。そうではなく、描くプロセスや技法を通して対象との直接的な関係が生まれ、その対象はぐっと身近になる。まるで触れられるかのように、実感をって経験できるものになるのだ。
私は、状況を観察し、ドローイングを通して理解を深めるために描いている。
具体的には、ある状況に対して描き重ねていく。映像や写真をトレースし、そこから空間的・建築的な要素を取り出し、目の前のかたちや構造への理解が得られるまで続ける。このプロセスでは、対象そのものをさまざまな視点から繰り返し描くだけでなく、そこから生まれたドローイング自体もさらに別の視点で描き直していく。こうして重ねられる一枚一枚は、対象に含まれている圧縮された空間性を少しずつ解きほぐし、洗練していく作業でもある。
私は観察と想像のあいだを行き来しながら描き続け、やがて転換点——ポイエーシス(生成の瞬間)——に至る。そのときドローイングは、単なる「再現」から離れ、別の存在へと変わる。その瞬間、私は見ている状況をただ写すのではなく、それを通り抜けるように描くことができるようになる。そこに現れるのは、もはや元の映像や写真の見た目そのものではなく、対象に内在し、観察によって捉えられた建築的な意図を表したものなのである。
-リート・エークハウト
リート・エークハウト(M.Arch, MA, PhD)
彼女は、ベルギーのKUルーヴェン大学建築学部においてポストドクトラル研究員の職に就いている。研究者として、建築という分野の中から自身のドローイングを発表・出版し、執筆活動も行っている。また、世界各国の大学や国際会議にゲストスピーカーおよび講師として招かれ、実践との関係における自身の研究について講演している。彼女のドローイングは国際的に展示されており、これまでにヴェネツィア・ビエンナーレ(イタリア)、パリのギャルリー・ダルシテクチュール(フランス)、ベルリンのチョーバン財団建築ドローイング美術館、ベルリン工科大学建築博物館(ドイツ)、アート・オミ:アーキテクチャー(ゲント、ニューヨーク、アメリカ)などで展示されている。
2014年には、メルボルンのRMIT大学における招待制の実践ベース研究プログラム(レオン・ファン・シャイク主導)のもと、マーティン・フック博士の指導を受け、「プロセス・ドローイング」と題する博士論文を完成させた。
Website: https://www.rieteeckhout.com/
Instagram: @riet_eeckhout
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