Day Drawing- January.11.2015.Johannesburg © Sohei Nishino
“Diorama Map”シリーズで都市という構造体を過去13年間に渡たり歩き続ける中で、ある一つの土地が年月を経てやがて一つの都市に至るには、様々な物が行き交い、人間の日々の歩行が有機的に堆積することによって構築されているということを実感し、しだいに人間が“移動する”という根源的行為そのものに興味を持つようになった。
Making Diorama Map of San Francisco 2016 from Sohei Nishino
Day Drawingは、そのように無数に張り巡られた行為の集積の一つである自身の日々の移動に注目し、それを写真として可視化することを試み始めた作品。
2014年11月から現在に至るまで日々継続的に自身の毎日の移動のデータをGPSに記録している。Day Drawingではその日々の記録の中から様々な場所や日時を選び出し、ある一日の移動を紙にトレースした線に沿って一点、一点手で小さな無数の穴を開ける。
Day Drawing- process © Sohei Nishino
そして穴が空けられた紙を暗闇の中で光を照らし、その穴から漏れた光を写真に撮影する。GPSデータという極めて客観的であり、科学技術が発達する前までは神のみが知ることの出来ると考えられていた超越した視点から、地球を、ひいては自身を見下ろすことによって、自らの身体行為を一つの造形=ライン(線)として可視化する。
Day Drawing- process © Sohei Nishino
Day Drawing- contact sheet © Sohei Nishino
写真に写し出された光の線を構成する無数の光の点の一つ一つは自身の「移動」という一瞬一瞬の行為、あるいは一歩一歩の歩みの集積と同等であり、また一日という単位の時間軸を持った身体行為を線に置き換えて可視化し、抽象化することによって、個人的な身体行為の記録をある種の普遍性を持った視覚表現に変換している。このような俯瞰的視点を用いることよって初めて認識する事の出来る移動という自身の身体行為は、日々地球上に線をドローイングする行為とも言える。
Day Drawing- installation view at SF MoMA 2016 © Sohei Nishino
西野壮平
1982年兵庫県生まれ。歩くこと、旅を通して得た個人的体験をもとに作品を制作している。2013年にNYの国際写真センター(ICP)のトリエンナーレ「A Different Kind of Order」、オランダの「Foam」誌が選ぶFoam Talent 2013に選出される他、2016年にはサンフランシスコ近代美術館(SFMOMA)にて個展を開催。2017年第7回Prix Pictet「SPACE」の最終ノミネート作家に選出され、世界中の約13会場を巡回。2018年1月にはイタリアのMAST Foundationにてグループ展に参加。
“Diorama Map”シリーズで都市という構造体を過去13年間に渡たり歩き続ける中で、ある一つの土地が年月を経てやがて一つの都市に至るには、様々な物が行き交い、人間の日々の歩行が有機的に堆積することによって構築されているということを実感し、しだいに人間が“移動する”という根源的行為そのものに興味を持つようになった。
Making Diorama Map of San Francisco 2016 from Sohei Nishino
Day Drawingは、そのように無数に張り巡られた行為の集積の一つである自身の日々の移動に注目し、それを写真として可視化することを試み始めた作品。
2014年11月から現在に至るまで日々継続的に自身の毎日の移動のデータをGPSに記録している。Day Drawingではその日々の記録の中から様々な場所や日時を選び出し、ある一日の移動を紙にトレースした線に沿って一点、一点手で小さな無数の穴を開ける。
そして穴が空けられた紙を暗闇の中で光を照らし、その穴から漏れた光を写真に撮影する。GPSデータという極めて客観的であり、科学技術が発達する前までは神のみが知ることの出来ると考えられていた超越した視点から、地球を、ひいては自身を見下ろすことによって、自らの身体行為を一つの造形=ライン(線)として可視化する。
写真に写し出された光の線を構成する無数の光の点の一つ一つは自身の「移動」という一瞬一瞬の行為、あるいは一歩一歩の歩みの集積と同等であり、また一日という単位の時間軸を持った身体行為を線に置き換えて可視化し、抽象化することによって、個人的な身体行為の記録をある種の普遍性を持った視覚表現に変換している。このような俯瞰的視点を用いることよって初めて認識する事の出来る移動という自身の身体行為は、日々地球上に線をドローイングする行為とも言える。
西野壮平
1982年兵庫県生まれ。歩くこと、旅を通して得た個人的体験をもとに作品を制作している。2013年にNYの国際写真センター(ICP)のトリエンナーレ「A Different Kind of Order」、オランダの「Foam」誌が選ぶFoam Talent 2013に選出される他、2016年にはサンフランシスコ近代美術館(SFMOMA)にて個展を開催。2017年第7回Prix Pictet「SPACE」の最終ノミネート作家に選出され、世界中の約13会場を巡回。2018年1月にはイタリアのMAST Foundationにてグループ展に参加。
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