Artwork+Text Essay Wall Posts Signals

Signals#25 ジョーイ・チン

On: Repeat (2021). Calligraphy ink on calligraphy paper, 210mm x 297mm

私はコミュニケーションに関心のある作家・アーティストとして、読んだり書いたりすることのできないものを「サイン」、もしくは「線、曲線、順序、輪郭を伴う一種のドローイング」として見てきた。例えば私は大人の言語学習者としてギリシャ語を学ぶ時にそのように感じてきた。

パンデミックの影響による単調で平凡な生活の質によって、予想していなかった経路で線の作用が露わになった。私は中国の表意文字と絵文字に個人的な興味を持っており、日常の退屈さは私に、これらのサインが自分の状況にとってどれだけ重要になりえるのか、表面に現れていないものを掘り起こし、古いものに新たな展開を与えうるのか考えさせた。

この作品には、窓・鳥・翼・死の古代絵文字、雲(云)や地球(土)など現在使われている字に近い絵文字が含まれている。一般的な2.5cm角の中国書道紙のグリッドパターンを模倣しているが、その角度は通常の正方形ではなく、ひし形になっている。

パンデミックによる様々な制限の結果、毎日の全てのものがー明けても暮れても、点灯しても消灯してもー同じように見えたとしても、壁紙のようなアプローチをとったこの作品は確かに反復的ではあるが、手近に他の方法なしにこの単調さに少しの装飾を施す。

ジョーイ・チン

1986年生まれ。彼女はアーティストであると同時にプッシュカート賞にノミネートされた作家・詩人でもある。
彼女の作品は、テキスト、物語、視覚芸術が交わる場所にあり、詩、リーディングの行為と様式、様々な混在を通して表現される。彼女の主な焦点は、自己の間にある個人的なコミュニケーション、縄張り意識のマーキング、それら二つの間にある内的発話のディベロップメントにある。
ジョーイは香港城市大学でクリエイティブライティング(詩)のMFAを取得しており、彼女の作品はアートハブ・アジア、アジア・ヨーロッパ財団、ロイヤル・オーバーシーズ・リーグアーツ(イギリス)、ドロシー・チャン財団(シンガポール)、ナショナル・アート・カウンシル(シンガポール)、ランラン・ショウ図書館(香港)、及び人類学協会(米国)など、多くの組織から奨学金、助成金、賞を授与されている。

Website : www.joeychin.com

Source of reference and inspiration often came from pages of Chinese Characters: Their Origin, Etymology, History, Classification, and Signification by Wieger, L (1965)