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Signals #08 ディ・タゴワスカ

 

The West Pier and The Old Wembley, mixed media drawing on paper, 21 x 29,7 cm, 2020, courtesy of the artist

ディ・タゴワスカ
この現状は私にとってある種の恵みである。私は以前の状況に「正常」と名前を付けることに反対する。経済成長と資本主義自体の公式は、使い果たされたのだ。
私は旅に出ることを少し恋しく思うが、観光も乱開発の一部であることを思い出す。ピラミッドやエッフェル塔は、遠い土地からの葉書の上の存在に戻った。私は葉書のようなものを描いた。その一部は、2000年代の最初の頃の私の愛するブライトン(イギリス)で、最後に崩壊する直前のウエスト・ピアも描かれている。前景にあるのは桟橋ではなく古いウェンブリースタジアムであり(2003年に解体されて新しいスタジアム用のスペースができた)、それが水に滑り込んでいくところだ。ブライトンにその精神が存在する、大英帝国のようなかつての超大国は、変化の圧力の下で崩壊した。
今日、ビーチやスタジアムは空っぽだが、カメのいくつかの種は絶滅危惧種の分類から抜け出て、人けのないビーチで繁殖に励むことができるようになった。
2番目の画像は、私が現在観測しているシグナルを表している。
3番目は、未来の未知な形だ。私は、未来はもっと適合性があって、人類中心主義よりも人道主義的なものであると信じている。

Dy Tagowska
インターメディアアーティスト。大きなサイズのキャンバスや、ささやかなドローイングの表記法において、還元的な記号を頻繁に使用する。彼女の論文においては、現代の現実における神話とシンボルの顕現が分析される。彼女はスポーツを研究しており、その生物学的および心理学的側面を調査している。深層心理学の鉱山で実践する学者 。彼女は睡眠中に、しばしばカール・グスタフ・ユングと一緒にコーヒーを飲む。
ポーランドのヴロツワフにあるオイゲニウスゲペルトアカデミーオブファインアーツの講師として、インターメディアドローイングを教えながら、創造的プロセスの指導と円滑化を進めている。
ACC ICFの認定指導者であり、創造的プロセスのファシリテーターであり、アーティストのサポートとアートの能力の可能性の調査を専門とする。彼女は継続的に日本に帰国しており、文化的経験を吸収している。
www.dytagowska.pl
Instagram: @dy_tagowska

Dy Tagowska “Herbarium” mixed media drawing on paper, 21 x 29,7 cm, 2020, courtesy of the artist
Dy Tagowska “Facility” mixed media drawing on paper, 21 x 29,7 cm, 2020, courtesy of the artist

鈴木ヒラク/アーティスト。1978年生まれ。東京芸術大学大学院美術研究科修了後、シドニー、サンパウロ、ロンドン、ニューヨーク、ベルリンなどの各地で滞在制作を行う。ドローイングを核として、平面/インスタレーション/彫刻/パフォーマンス/映像など多岐に渡る制作を展開。著書に『GENGA』などがある。現在、東京芸術大学大学院美術研究科非常勤講師。