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Signals#18 ゲーリー・ワーナー

collective performance drawing project © 2020 Gary Warner

シドニー国立芸術学校でドローイングを学ぶ学生との探索的演習…

キャンパス内の建物と建物の間にある、アスファルト舗装された細長い野外空間で、学生たちにはそれぞれソーシャルディスタンスを保った場所を選んでもらい、その場所にとどまり、体の周りに放射状に線を描くことに時間を費してもらった…

私は学生たちに、体から外へ向けて、または体の内側に向かって直線を描くように指示した。この演習は、学生一人ひとりが「創造的」になることを目的としたものではない(しかしもちろん、やがてそれぞれが自分の個性を表現する方法を見つける)。これは、ある規律と焦点を持った単純なルールを適用することで、ありふれた搬入通路や駐車場を占領し、変容させてしまうような、大きな集合的なドローイングにそれぞれの人が貢献することについての試みである…

演習は、3日間にわたって3つの異なるクラスで繰り返され、徐々に集合的なドローイングを構築した。 キャンパス内の他の人たちは、ドローイングが成長しているのを見て、「何が起こっているのか」と疑問に思っていた。もちろん、人々はまたいつものように、そこに歩いたり、車を運転していたが…

多くの学生や通行人は、絵が「ウイルス」を想起させると言い、タンポポ、珊瑚、花、日本の花火などに言及した人もいた…

ドローイングを作成した後の週末、雨がすべてを洗い流し、絵を消して空間を「ノーマル」な状態に戻した。しかしドローイングの記憶はそこに加わった…

ゲーリー・ワーナー

1957年生まれ。オーストラリアのシドニーを拠点に活動するゲイリー・ワーナーは、オーストラリアのシドニーにあるナショナル・アート・スクールで実験的なドローイングを教えている、学際的なアーティスト、キュレーター、共同制作者、作家である。彼はドローイングマシンやソニックキネティックなインスタレーション、またデジタルビデオやパフォーマンス作品を制作している。生涯にわたってサウンドアートとフィールドレコーディングを実践してきたゲイリー・ワーナーは、2021年初頭にポッドキャスト「Sonic Sketchbooks」をスタートさせる。シドニーの北西部に位置するビジガルにある10ヘクタールのオフグリッドの原生林の管理人であり、開発に反対して保護している。1980年代後半に、東京のスキャンギャラリーでオーストラリアのビデオアートを紹介して以来、日本もしばしば訪れている。

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