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Signals#15 サンドロ・クリサフィ

Untitled#43, 2020, black ink pen and charcoal on paper, 29,7x21cm,© Sandro Crisafi

 

Untitled#43

この例外的な状況が全世界に影響を与えているにもかかわらず、それが私のドローイングに対するアプローチに対して影響を与えていないと感じた。私のアートへの態度は、常に孤立によって特徴付けられてきた。アグネス・マーティンがかつて「世界に背を向けて絵を描く」と言ったように、私は全く同じように感じ、周りで起こっている状況から離れようと努めた。殆どの人に反し、このロックダウンは私に良い影響を与えた。自分の作品に費やす時間、新しい作品を制作する時間、そして私のアーカイブに長い間存在していたものを振り返る時間があった。2015年より黒のインクペンと木炭を使用したシンプルなA4フォーマットで作られたこのドローイングの連作は、この機会がなければ再び現在に浮かび上がることもなかったかもしれない。紙面にほとんど同じように繰り返されるように見える複数の線は、実際にはゆっくりとしたリズムの現れである。それは、私が常に切望していたリズムであり、それが私の日常を最もよく表している。それらは全て同じに見えるかもしれないが、これが原因で、自分のテンポを受け入れることができる。

Sandro Crisafi

サンドロは、写真とドローイングの領域横断に携わるビジュアルアーティストとしてロンドンで制作活動をしている。彼はボローニャの美術アカデミーで学び、2007年にカメラ-無し(Camera-less)写真の論文で卒業した。彼の作品には、カメラを使用せずに、ドローイングと化学薬品のみを使用して行われたいくつかのプロジェクトがある。それらの全ては、写真のマテリアリティの魅力や暗室における彼の独自の製版現像の職人的技術を記録したものである。

website : sandrocrisafi.com
facebook : sandrocrisafi
instagram : sandrocrisafi

Blows #05, 2019, unique gelatin silver print, 20x30cm, © Sandro Crisafi